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有彩のタンゴな生活  その85
有彩のひとり言です。聞き流して下さいね。
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2010/03/15_15:25 バス騒動

 ある日バスに乗っていたら、通りでデモ行進があった。こういう事は日常茶飯事。2002年暮れの暴動から7年経っているが、まだ毎日のように街中でデモが起こる。そういう時バスはどうするかというと、簡単にルートを変更してしまう。大変なのは乗客。無言でルート変更をする運転手が多いので、気がついたら目的地からどんどん遠ざかっていたりする。この日の運転手は親切にも「××通りを通って××に行きます!」と大声で乗客に知らせてくれた。

 突然50代の男性が「ここで降ろせ!」とわめき出した。と言っても3車線の中央を走っている最中。「この先で止める。」と運転手が言っても、「今すぐ止めろ!俺は□□に行きたいんだ!」と扉を蹴飛ばした。1分後にバスが止まって扉が開いても、彼の怒りは収まらない。運転手に「ここへ来い!」とわめき、ついには運転手に詰め寄った。

 ここで驚いたのは乗客の反応だった。日本だったらこういう時、誰も反応しないと思う。無関心を装い顔すら上げない人がほとんどのような気がする。私だって巻き込まれるのが怖くて、固まってしまうだろう。

 ところがアルゼンチン人は違うんだなぁ。乗客のほとんどが反応した。その男が騒ぎ出したとたん、「No〜 Por favor・・・ お願いやめてよ。」「よせって!」と口ぐちにつぶやき、車内は騒然となった。運転手に殴りかかろうとした男を、運転手の傍にいた若い男性が「お前はこのまま降りるべきだ!」強い態度で制した。他の乗客にも阻まれてバスを降りた男は、道端の石を拾って閉まった扉に投げつける。「なんて事するんだ!」と車内は大興奮。若い女性が「Muy Malo!」と大声で叫んだ。直訳すると「ものすごく悪い奴!」ってことだが、多分「馬鹿野郎!」って感じでしょうね。

 今回はみんなで男の暴走を止めた事になるが、逆に火に油を注いでしまい、大騒ぎになる場合もあるでしょう。でもこういう反応って、人間としてすごく当たり前で正しいと思った。日本人が忘れ去ってしまったとても大切なもの、それを垣間見た気がした。

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